Scene.14 強烈な個性を尊重しろよ!
高円寺文庫センター物語⑭
太田出版からの新刊漫画『復刻版 聖(セイント)マッスル』で、カルト人気を誇るふくしま政美さんの出版記念サイン会のお話を戴いた。
出版社のみなさんに、声をかけ続けた成果が出始めていた。お蔭さまで、これまで4回のイベントを営業的にも成功させてきた。
カルト=マイナー=集客力不安と感じた自分に気がついて、ちょっと自分にダメ出しだよな。やはり高円寺は、違う!
大手大型書店に敵うわけがないから、ゲリラ戦的商売で行こうと思っていたのに少しのイベント成功で天狗になっていたんじゃないか?!
お客さん、ひとりひとりの顔が見える商いならイベントの来客が一人二人だっていいじゃないか。次に繋げられる、サムシングがあるかも知れないしさ。
仕事力にも人間力にも達成はないな、すべて夢の途中・・・・転がる石には苔は付かない。
サイン会に来てくれたお客さんは14人、却って濃密なひと時を過ごせたようで皆さん満足して喜んでくれた。サイン待ちの行列を睨んで進行の時間を気にすることもない。
ふくしまさんは色紙まで書いたりと、お客さんへの丁寧な対応を余裕で見守っていられたサイン会だった。
いまはない居酒屋「ごっつお屋」での打ち上げには、ふくしまさんも来てくれて盛り上がった。
「文庫センターさんへ」と描いていただけた色紙の2枚、壁面に飾ってボクらを見守ってくれることになった。
店長としては重要な営業効率。しかし文庫センターでそればかり追っていると「仏作って魂入れず」と、お客さんの魂までは掴めないと感じるサイン会だった。
2015年の高円寺。聞けば、場所柄をわきまえた品揃えで頑張っている本屋があるそうな。ある元スタッフいわく、「魂を感じない」
「なんばいこれ、大麻堂?
一袋800円で5掛けなら、400円の儲けばい。2000円代の専門書を一冊売るのと変わらんけん、いい商売やね!」
「さすが、計算も早いロックンローラー! 内山くん、これでも儲けるとよ」
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